エッチングの前に、チタン製の針金を通すための穴を一か所ないし二か所開けます。どうせ後であける穴なので、まあちょうどよいかと。銅を溶かすぐらいの強い酸化力を持った液ですが、チタンは溶けません。
というわけで。針金につるして装置に漬け込みます。
専用の曝気攪拌装置を使ってエッチングします。現在エッチング中です。
「曝気」攪拌装置と言っても、別に空気と触れさせるために混ぜているワケじゃないんですよね。攪拌のために空気を使っているだけで。
温度は38度から40度が適温と言われています。(範囲が狭い!)投げ込み式セラミックヒーターを使って温度調節をしているので楽勝です。無ければ湯煎で適温をキープしましょう。でも、この形で湯煎は無理なので、攪拌装置+縦型容器+セラミックヒーターはセットで使わないと無理でしょうね…。本家サンハヤトでは、ヒーターは別売りになっています。こんな感じで。ES-10が定価7854JPY、KTS-200が定価9125JPY、合計16978JPY也。1,2枚だけ作るんじゃ元がとれません…
なお、セラミックヒーターは絶対に空焚きをしないように、と説明書にも書かれています。こんなことを書かれるとやってみたくなるのが人の性…いや、今回はやりません。
新しい液を使用するときは温度を低め(38度)に、だんだんと黒ずんできたら高め(40度)にセットしました。
液が新しいと、2~3分もあれば十分エッチングできます。銅が溶け込んでくるとどうしても時間がかかってきますが、それでも5~6分で終わってしまいます。
慣れてくると、背中あわせに二枚基板を入れてエッチングをしましたが、背中あわせになった部分にエッチング液が毛細管現象で染み込んで、十分落とす必要があります。結局手間がかかる?
エッチング後の基板は溜めた水でいったん流してから流水に流します。この一次洗い水はエッチング液と同様に処理をしないとまずいかな。結構銅が溶け込んでいそうなので、環境には宜しくありませんね。足尾銅山の鉱毒事件みたいなことが地元で起こったら困りますので…
そもそも、足尾銅山鉱毒事件は銅山から流れ出た銅イオンや硫黄化合物(特に硫酸)が下流に流れ、化学物質が農作物や森林を枯らしました。そういうわけで、後日化学的にエッチング液とともに処理をします。
ここまでの工程は、流れ作業でできたものからエッチングまで続けて行いました。エッチングしている間に他の基板を感光させて、感光させている間に次の基板を切り出して…
すべての基板のエッチングが終わって、表面の不要になった感光部分を除去します。公式マニュアルでは硬いスポンジでこすって削ぎ落とす、と書いてありますが、ここではもう一度、現像液に溶ける状態まで光を当てて、現像液につけてすべての感光部分を溶かします。
感光部分を溶かしたら、すぐに次のフラックス塗布へ進みます。エッチング前のように銅がむき出しの状態では酸化が進んでしまい、はんだの乗りが悪くなります。その酸化防止の意味を込めて、フラックスを塗ります。
フラックス塗付
銅箔面のさび防止のためにも、スプレータイプのフラックスを塗ります。
PETボトルの容器ですが中に高圧ガスも入っています。
フラックスが流れるように、壁に立てかけてました。こうやって見ると金屏風、いや銅屏風のようで壮観です。
よく乾かさずに塗ってしまったため、フラックスのむらができてしまいました。
というわけで、よく水気を切ってから塗りましょう。
フラックスの主成分は松脂を蒸留したロジンと、その溶剤のイソプロピルアルコールです。いくら天然物の松脂とはいえ、蒸気を吸うともの呼吸ができないようになり、ものすごく苦しくなります。今回は結構大量に使ったので、換気しないととても部屋にいられないぐらいのレベルになりました。
はんだ付け後に洗浄(といっても薬品でふき取るイメージ)するので大丈夫…かな。
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