基板を製作します。
流れとしては、まず基板を感光させてからすぐに現像して、エッチング、フラックス塗布、切断、穴あけ、導通・絶縁テストといった具合です。切断、穴開け、テストは後日でもいいのですが、できるだけフラックス塗布まではノンストップで行ってしまいたいところです。
というわけで、本格的な作成の前にしっかりと準備をします。
感光した基板を速やかに現像、エッチングとできるように配置を考えます。バットには現像液と、洗い流すための水をそれぞれ入れておきます。
エッチング液も準備万端です。1リットルのエッチング液が丸ごと入ります。倒れても大丈夫なように、感光基板製造セットのケースの中に置きます。
今回購入した基板が200mm*150mm、でもこの露光機「ちびライト2」の対応サイズが100mm*150mmなので、感光させる前に対応サイズまで基板を切断します。初めから対応サイズのものを使えばもっと楽になりましたが、こちらのほうが安上がりなので我慢しました。また、今回の基板の長さが約120mmなので、片方100mmの基板ではほとんど捨ててしまうことになってしまいます…。
感光しないように神経質になって、できるだけ暗くして作業しています。隣の部屋の明かりをつけて、光があまり入らないようにしています。ですが、後で残った感光部分を取り除くために、エッチング後の基板を表向きにしておいて、蛍光灯の光にさらしても感光液に溶けませんでした。実際は晴天の屋外で作業するのでなければ、ここまで神経質になる必要はないかと思います。
切断のときは、両面をひっかくような感じで溝を掘って折ります。感光面に傷がつかないようにと裏側だけ溝をつけて折ったら、結局感光面がきれいに折れず、無駄にしてしまいました。
現像液の準備のため、お湯を用意していましたが真夏には不要のようです。この日の気温が摂氏34度、現像液の最適温度は25度から30度ですが、水道水をしばらく表においていたら26度ぐらいになっていました。なのでそのまま粉をとかしました。
適当な大きさに切った基板をパターンごと挟んで感光します。ずれないように注意。このクランプは、ちびライト2に同梱されています。
初めの5枚は感光プロファイルに従って118秒光に当てていました。しかし、どうもパターンの込んでいるところがつながって残ってしまいました。多少感光しすぎて細くなっても支障がないパターンなので、10秒長く、128秒感光させることにしました。このプロファイルもちびライト2のマニュアルとして同梱されています。基板製造後6カ月以内ならほとんど変わりませんが、それを過ぎると急に露光感度が落ちてしまいます。http://www.sunhayato.co.jp/products/item_data/NZ-expProfile.pdf
このOHPシートが光を通しにくいせいかも知れません。しかも二重にしているし。
感光したら、うっすらとパターンが残ります。昔のバージョンではもっとくっきり残っていたので「あれ?」と思うかもしれません。感光材を変えたクイックポジ感光基板で勝手が変わったようです。
現像
感光後の基板をすぐに現像液の中に入れて、感光部分を溶かします。
あまり温度が高すぎると感光していない部分も溶けてしまうそうです。多少温度が低くても時間をかければ問題はないかと思いますが、感光部分がいっぱい溶け込んだ液を使うときは温度を上げたほうがいいかと思います。感光液はメタケイ酸ナトリウムで、塩基性です。ほんのちょっと手に着いた程度ならすぐに洗い流せば大したことは無いのですが、今回のように大量に作る場合は特に、できるだけ皮膚につけないに越したことはありません。
結構感光を繰り返して、感光材が溶け込むとご覧の通り緑色になります。公式には、12K(100mm*150mm)サイズの感光基板が約15枚現像できるので、今回の15K(200mm*150mm)基板で7.5枚分対応できる計算になります。ですが、感光材に頑張ってもらって10枚現像することができました。
一度感光液につければ、後は光を当てても大丈夫です、というより積極的に当てたほうが後で楽になります。しばらく放置しても大丈夫ですが、あまり放置しすぎると感光材の溶けた、銅板むき出しの部分が酸化してしまいエッチングしにくくなるので、できるだけ早めにエッチングしましょう。
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