基板を作成しました。
前回の量産より、「基板は他で作ってもらったほうが安くてきれい」という声がありましたが、今回も手作りとします。過去にも同じことを書いたような…。確かに面倒ですが、理由は
1)手作りのほうが「手作り感」が出る
2)外注が安いといってもやっぱり手作りのほうが安い
3)せっかく買った設備のコストを回収したい
そして
4)特注基板に簡単に対応できる
というわけで、基板を作っていきます。
作り方は前回と同じ手順ですが、前回のノウハウを生かして作業の内容を変えていきます。
1)OHPフィルムにパターンを印刷
ブラザーのMFC-935CDNプリンターを使い、OHPフィルムに「普通紙」で印刷します。1枚では黒い部分も光が透過してしまうので、1枚はプリンタドライバで左右・上下反転させてもう一枚印刷します。印刷面通しを重ねて、インクが表に出ないようにします。
黒いインクがくっきり出るように、お使いのプリンターによって設定を変えてください。
2)基板を切断
使っている「ちびライト2」の対応サイズが150*100mmまでなので、200*150mmの感光基板をアクリルカッターを使って半分に切断します。
3)感光
サンハヤトのサイトにある感光プロファイルより、適切な時間を選びます。基板が製造後約4カ月経っているので、表を見る限り125秒程度です。これに、前回の経験を加えて感光時間を135秒=2分15秒とします。
感光基板にフィルムを挟んで、135秒間光を当てます。
4)現像
光を当てた基板を現像液の中に浸します。本来は現像液を25度Cから30度Cぐらいの温度にしますが、放置している間にぬるくなってしまいました。前回作ったのが真夏だったので何もしなくてもと買ったのですが、それ以外の季節に作る時は温度に気を付けたほうがいいと思います。
ちなみに、手元の温度計で測ると約20度Cです。そのため、3分から5分ほど浸すことにしました。
5)エッチング
容器の底から空気を送るタイプのエッチング装置でエッチングします。液温度はヒーターで40度にしています。その中に先ほどの基板を約10分ぐらい浸します。
こうして出来上がったものがこれ。
端のほうが全くエッチングできていない!
だからと言って、これ以上エッチングすると、良くエッチングされている中央部分が過剰にエッチングされてしまいそうです。すでに、溶けない、と言いながらずっとエッチング液に付けていたものを見ると、パターンがものすごく細くなってしまいました。
この失敗の原因を探ります。
各工程ごとに失敗を洗い出します。
0)基板が古い
基板が製造後約4カ月経ってました。感光しにくくなっている可能性がありますが、メーカーによる品質保持期限は12カ月としていますので、これを原因にしてしまっては成長がない、と思います。
1)OHPフィルムにパターンを印刷
そもそも、OHPフィルムに印刷したことが失敗なのではないか、おとなしくサンハヤト純正のインクジェットフィルムを使うべきだったのかもしれません。
2)基板を切断
基板切断のために、蛍光灯光源の下で光に当てていました。そのため、全体が感光してしまったのかもしれません。しかし、全体が感光してしまったのならむしろ感光材料がはがれてしまうので、今回のように残ってしまった、ということにはならないと思います。
3)感光
エッチングされていないのが基板の端のほうでした。ちびライト2の対応サイズは150*100mmとしていますが、実際にはかなり光のむらがあるのかと思います。外側の光の量が足りなかったのかもしれません。
大体この赤丸の中に収まるように基板を切り出せば良さそうです。ざっと見て120*75mmぐらいでしょうか。でも、これでは最小サイズの基板でないとうまく作れない計算ですね…
前回も、エッチング失敗は大きめに切りだした基板で多く起きていました。外側に十分光が当たっていないせいで、表面の感光材料が残ってしまいうまくエッチングできなかったのかと思います。
また、感光基板とフィルムが密着できていませんでした。
クランプに挟んだ基板を横から見るとこんな感じ。
少し浮いてしまってます。柔らかいキルトの上で作業をしていたので、うまく密着できていなかったのだと思われます。なので、硬い床や机に置きましょう。
4)現像
温度が低かったので、十分に感光材料が溶けなかったのかもしれません。温度が10度高いと反応速度が2倍速くなりますし、溶解度も物質によって2倍以上大きくなりますので、浸す時間も2倍以上にしました。
しかし、まだ足りなかったのかもしれません。
以上より、次回は、基板をさらに半分に切って、硬い床の上で基板をちびライト2の中央において、長めに(3分ぐらい)感光させたものをエッチングしようと思います。
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