iNSTITUTEM@STER

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2010年12月30日木曜日

製品のプログラム書き換え

 おそらく、年内の更新はこれが最後となると思います。


 ある日、こんなお願いが入りました。
 「つまみロックした後に『真ボタン』を押すと二度押したようになってしまって、色が飛んでしまうので、なんとかしてほしい」

 これは「チャタリング」が原因だと思います。

 これをなんとかするには、プログラムで解決するか、抵抗とコンデンサを入れてスイッチのON、OFFの変化を遅くするか、あるいは、押して離した後に待ち時間をいれて、何もしないようにするか、です。

 出来上がった基板に抵抗とコンデンサを入れるのは面倒なので、プログラムを書き換えることにしました。しかし、前作なら、ICをそのまま引っこ抜いて書き込み機で書き換えればいいのですが、今回はICを引っこ抜くことができないので、なんとかして基板にICをつなげたまま書き込みをしたいところです。

 PICで書き込みに必要なのは、1番ピンを左上に持ってきて、左上から4番目のピン(メモリー消去時に高い電圧を掛ける、VPP)、右上から2番目のピン(データを送る、ICSPDAT)3番目のピン(クロックを送る、ICSPCLK)です。そして、ICそのものを動かすための電源(VDD、+電源・VSS、基準電源)です。この順番は、現行の8ピン、14ピン、20ピンモデルなら共通です。

 なので、この線だけつなげば書き込めることが分かります。繋ぐための線を付けて、書き込むことに。

 結果は…そううまくいかないのが世の定め。

 よく調べてみると、上のピン配列にある「ICSPDAT」「ICSPCLK」が重要で、双方向で書き込み機とデータのやり取りをしているため、他の回路につながないようにしなければいけません。なので、一時的に他の回路と切り離します。具体的には、つながっている抵抗を外します。

 今度こそうまく行きました。
 思ったよりあっさり出来てしまいました。

 とりあえずできましたが、これは、次期作ではプログラムの書き換えがしやすいようにも作るべきですね…

 それでは、よいお年を。 

2010年12月25日土曜日

出荷後に色々思った事

 なんとかシナモンブレードを出荷しました。
 その後色々な不具合対応等、一段落しましたので、そろそろ放置気味だったブログを更新します。

 やはりというか、恐れていた「初期不良」が数件ありました。
・特定の色(青or緑)が付かない
・基板固定ねじを通す穴の位置が合わない
 こちらは、完全に加工のミスです。特に初めのころに加工した物は、ねじを通す表と裏の穴を別々に開けていました。これが原因で中央を通らず、合わなくなってしまったと考えられます。
 現在は、中央を通るように、一度で貫くように穴をあけています。

 改めて、この場を持ってお詫び申し上げます。お求めいただいた方で、何らかの「不具合」がありましたら、ご連絡ください。早急に対応いたします。


 また、発送してから気が付いたのですが…
 レンズと光源の隙間が出来てしまいました。

 これにより、特に複数色を混ぜる色の場合、色の分散が起きてしまったり、色のむらが出来てしまうことがあります。
 さらに、振っていると外れることがあります。

 これは、温度差などで粘着力が弱くなってしまったこと、写真内の赤いケーブルが太すぎて干渉してしまうことが原因です。
 大変お手数ですが、セロハンテープなどで補強してもらえると有り難いです。申し訳ございません

 そもそも、この赤いケーブルは電池ケースにつながっていたケーブルで、リユースするつもりで使いました。早い話、細い電線を「ケチった」せいです。

 この部分は特に大電流が流れるので、あまり細いとロスが大きくなってしまうのですが、太くすると今後はレンズが干渉してしまう…

 というわけで、これで考えた結果
「レンズ要らないんじゃない?」
 レンズ代もいらないし、このレンズを調達するのも大変だったし……だけどこんなこと言ったら何のために「光を遠くへ飛ばす実験」をやってきたんだろう…

 ちなみに、レンズなしで光らせた結果がこちらです。いずれの写真も、手前がレンズなし、奥がレンズありです。


 レンズがあったほうが色むらは消えています。しかし、元々の光の量があるので、レンズなしでも先のほうまで光が届いています。

 次期ロットでレンズを使うかどうか、再び考えたほうが良さそうです。

2010年12月21日火曜日

シナモンブレード出荷

 完成したブレードを梱包するのですが、これも意外にやることが多くてすぐに出荷、とはいきません…宛名を作って、1本1本緩衝材で包んで、マニュアルなどを入れて、また緩衝材で詰める。

 完成したはいいけれど、出荷が遅れて申し訳ありません。
 月曜日付けで出荷しました。
 おそらく、最短で12月21日に到着すると思います。

この箱のどれかが届くと思います。
郵便局へ持ち込むのが大変でした…まあ徒歩1分のところにあるので往復すればいいだけの話でした。
 
ラベルは色々と片付いたら整理します。シナモンブレード関係は直しておきます。

2010年12月18日土曜日

シナモンブレード完成!

 「はんだ付け3」や、組み立ての記事も書く予定ですが、タイムリーな話題なので飛ばしていきます。


 今回もタイトルの通り

 「シナモンブレードが(約)100本完成しました!!」

約、というのは一部部品の不良などで完成できなかったものが含まれています。
その完成に向けての写真をご覧ください。






 ここまで完成させたら、やっぱり光らせたい!

 というわけで、近所の公園で光らせてみました。

 冬の夜中、というより未明、とにかく寒いです。下に敷く新聞紙とシナモンブレードの入った大きな袋を持って歩いている姿を見ると、家があるか心配されそう…


スイッチオン!





なんだか思ったより明るくないな…周りが照明だらけで明るすぎるようですね…
気を取り直して、家で光らせます。







部屋全体が明るくなります。もちろん真っ暗です。
今度はこれを出荷します。みなさんの手に、この中のどれかが渡ります。

2010年12月15日水曜日

シナモンブレード完売!

 タイトルの通りですが…この度

「シナモンブレード予定数完売しました!」

 まさか、完成を待たずに完売するとは…
 この大きさ、金額、アイマス2ショック、イベントでの頒布もない中で、「年明けまでに半分出れば上等」と思っていましたが、どうやら予想以上に需要があったようでした。

 現在、追加生産の部品を注文しています。おそらく2月には出来上がるかと。
 これも、皆さんが応援していただいたおかげです。実際にtwitterやブログ、友人への口コミなど、いろいろな所で宣伝なり口コミなり広めてもらった事も大きな力となりました。

 実は言うと、今日で過去最高のページビューがありました。
 「シナモンブレード」少しは知名度が上がったかな?
 ちなみに、なんとか順調に製作は続いています。
 完成まで急ピッチで作業中。

2010年12月13日月曜日

はんだ付け2

 はんだ付けをするためには、はんだごては欠かせません。
 こんな感じで順調にはんだ付けをしていると、それは起こりました。



 ある日、そんなはんだごての先が真っ黒になってしまいました…


 実は、原因は分かっています。はんだごてで電線のビニールの被覆を溶かして外したせいです。
今までは1個とか2個とかなのですぐにはがれていましたが、100個単位だと、焦げた跡がそのまま残ってしまいました。

 ここまで黒くなると、はんだがこてのうえに乗らなくなってしまいます。ましてや、今回は溶けにくい無鉛はんだ。
 溶けたはんだがはんだ付けの面に貼りついて、熱伝導面を増やします。こうして熱が伝わったらはんだを付けるのですが、その熱伝導がうまくいかないので、これではうまくはんだ付けができません。

 仕方がないので、新しいこて先を買ってきました。ついでにヒーターも新調。新しいこてを買うより安上がりです。
 これで遅れていた作業時間を取り戻せるかな?

2010年12月12日日曜日

シナモンブレード増産決定!!

 本日までにシナモンブレードの注文が80本を超えました。本当にびっくりしています。この大きさ、価格、そして今回は特にイベントで大規模に頒布するわけでもないので、あんまり出ないだろう、と思っていました。

 ところが、ふたを開けてみれば完成前に8割以上売約済み…かなりの需要があったようで、予想できませんでした。

 タイトルにもある通りですが、正式に発表します。

 「シナモンブレードを追加生産します!」

 実は消化できていない部品もあったので、いつかもう一度作ろうとは思っていたのですがまさかこんなに早く決定するとは。

 この予定ですと、部品到着が1月末、完成が2月中旬ごろとなりそうです。
 詳細は追って報告します。

2010年12月11日土曜日

動画のコメントについて

 ニコニコ動画を見て、こちらのブログを見ていただいた方も大勢いらっしゃるようで、大変感謝しています。
 現在「シナモンブレード」の注文が60件を超えました。ご注文をお考えの方は、ぜひともお早めにご連絡ください。また、現時点でするかどうかは未定ですが増産も計画しています。


 また、いろいろなコメントを頂き、ありがとうございます。「すごい」などとコメントしてもらうと、こちらもとてもやる気が出ます。また、他にも気になったコメント、質問がありましたので、まとめてこの場で返事をします。

・熱が凄そう

・全部筒に入れちゃうと放熱できなくなりそう
 熱についてのコメントはいくつか頂いておりますが、発熱に関しては、以前電池の持ちを実験した時に同時に行いました。室温は約25度です。最も熱くなる、LED裏の温度を測りました。
 後ろの51.9が温度[℃]です。点灯30分ぐらい経過した時です。この後は、ほぼこの温度で落ち着きました。そして徐々に電池が無くなるにつれて温度が下がります。

 また、後日別の電池で行ったところ、約60度まで上がりました。やはり、電池が切れてこれ以上上がることはありませんでした。実際のケース表面は正確には測っていませんが、感覚としてほんのり暖かい、という感じです。この程度の温度なら問題ないと判断しました。


・昇圧回路付けて色切り替えすると雑電波するものもあるけれど
 いわゆるEMI(電磁気妨害)です。手元に正確に測定する機材がないため、簡易的にスピーカーとAMラジオでどれぐらいノイズが載るかを実験しました。
 実測では、市販のスピーカに近付けた程度ではノイズは聞き取れませんでした。また、AMラジオに近付けた時、半径最大20cm以内に近付けた時に「ザー」というノイズが聞き取れました。ちなみに、前作では最大5cmでノイズが聞きとれました。前作に比べてかなりノイズも大きいことが分かりましたが、20cmであれば、腕の長さより短いのでコンサート会場での影響は無いと考えられます。

・昇圧ユニットの詳細について
 このブログで以前紹介…と思いましたが、紹介していませんでした。
 最終的に採用したのはLM2735です。部品も手に入りそうでしたが、周りに付ける部品点数が多くなりそうだったこと、放熱が追いつかなくなる可能性があることから市販品のユニットを使用しました。

 今後も気になることがありましたら、遠慮なく質問してください。できる限りお答えします。

2010年12月8日水曜日

はんだ付け1

 多分2とか3とかになりそうな内容なので、書く前に番号を付けておきます。

 続いて、基板に電子部品をはんだ付けします。今回のこだわりの一つとして、RoHS指令に対応するために鉛フリーはんだを使います。
 もともとRoHS指令とは、EU内で電子機器を販売するときの規制で鉛やカドミウムを含む製品を販売できない、という指令です。実際EU圏内で販売する予定はありませんが、環境のことを考えて実施することになりました。個人でどうこうとなるレベルではないのかもしれませんし、ただ「鉛を使わない」ほうが却って環境負荷が大きいという報告もありますが…。

ただ、やはり鉛フリーは融点が高いのではんだ付けがしにくいです。

面実装部品、チップ部品も多く使用していますので、前回より細かい作業が必要です。
 PIC以外の面実装部品をはんだ付けした後、他のリード部品をはんだ付けします。
 穴あけもいらない、基板をひっくり返す必要もない、針金を切る必要もないので工期短縮…と思いましたが、その位置を決めるのが難しく、うまく固定できません。結局3個のチップ部品をつけるのに1枚1分ぐらいかかります。

 PICを後ではんだ付け、というのは、この仕様ではプログラムを後で変更するのが困難なためです。後でプログラムを更新した場合に対応するため、ぎりぎりにはんだ付けします。本当はインサーキットプログラマーを使って線をつなげばよさそうなのですが、肝心の対応したライターが手元にないのでこのようにします。

 ちなみに、こちらで使ってるのは秋月電子のPICライターVer.4です。PICにあまり詳しくない時期に購入したので、やはり基板を実装した後にも書き込みできる機能や、パソコンに接続しなくても書き込めるスタンドアロンプログラムができたほうが便利だと思います。

 実際、大きさが限られていますので、書き込み用端子を設ける場所もありません。今後のバージョンアップのためにクリップ型の書き込み冶具を用意しようと検討中です。

 ほかの部品も順番にはんだ付けしていきます。

2010年12月7日火曜日

今度こそ基板間違えた!!

 前回、「基板を間違えた!?」と思いましたが結局何とかなりました。

 しかし、部品実装も中盤を終わり、この期に及んで再び基板のミスが発覚しました。









アッー!

これは恥ずかしいです。
まさか、自分の「名前」を間違えるとか無いだろう…
正しくは「iNSTITUTE M@STER」SではなくてTです。




 なぜ今まで気がつかなかったのだろう…
 思い込みというのは怖いです。

 正直なところ、動かないとか火を噴くとかのレベルの間違いではないので、よかったのですが・・・このまま永遠に残るんだろうな・・・

 とりあえず、この文字を見て検索をする人のために書いておきます。

THE iNSTISUTEMASTER

THE iNSTISUTEM@STER

 期待していた方、ごめんなさい。

2010年12月5日日曜日

シナモンブレードの作成日記を動画にしました

これまでのシナモンブレードを作ってきた経緯を動画にまとめました。
色々と詰めていると、結局9分を超えてしまいました。

ご覧頂けると有り難いです。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm12945686

2010年12月3日金曜日

光を遠くへ飛ばす実験4

 「ペンライトの先端まで均一に光らせる」ために色々な実験を行っているこのコーナーですが、今回は、実際にお求めいただいた、asahiさんよりとても興味深いレポートを頂いたので、ぜひ紹介します。



画像元http://twitpic.com/3c6ifa

・右1段目
 まず、先端のに鏡を置くことが有効だと分かっていたので、鏡を置きます。

・右2段目
 光を飛ばすためにレンズが有効だと前の実験で分かりましたが、集光のために15φのアクリル真球を光源の前に設置します。このとき、光が漏れないように球の周りをアルミホイルで覆います。
 この時点で、先端まで光が進んでいることが分かります。

・右3段目
 続いて、球の周りのアルミホイルを外し、トレーシングペーパーの代わりに、前回お伝えした光沢のある半透明のフィルムを入れます。ここで使用しているのは、中川ケミカル社のIROMIZUです。こちらはどうやら全国の文房具店などで取り扱いがあるようです。
 球を、このIROMIZUの紙と保護フィルムをはがして巻きます。
 アルミホイルを外したことで、ショートの危険性が無くなりました。
 おそらくこの時点で、光が先端まで無駄なく届いているはずです。しかし、まっすぐ届いた光がそのまま跳ね返っていては意味がありません。そこで次のレポートです。

・右4段目
 さらに、鏡を凸型のものに交換します。このときに使用した凸型ミラーは少し光を透過するので、無駄をなくすために奥に平らな鏡をもう1枚付けます。
 まっすぐ先端まで届いた光が、凸型の鏡で外側に分散されます。棒全体に均一な光が見られると思います。

 このとき、棒の中で光がどのように飛んでいるかを図に表しました。右側が光源とアクリル球、左側が鏡、青い線は光です。


 きれいに光を光らせたい方、ぜひお試しください。

2010年12月2日木曜日

ケース加工

 注文受け付けを開始して、既に10件以上のご連絡が届いています。本当に感謝しています。また、「自分で作ってみたい」と言う方も、最新の記事にコメントしていただくか、メールなどでご連絡をいただければ、できる限りサポートをしたいと思います。


 パイプが届いたので、穴あけをします。

 前回のアクリルパイプのときは、何本も割っていました。しかし、今回のポリカーボネートパイプは、非常に削りやすく、割れることがありません。

 加工手順も変更しました。誤差が出ないように、あらかじめ削る部分にマークを付けておきます。
結構普通の方法のはずなんですが、なぜ前回はこの方法をとらなかったのだろう…
 前回は冶具を用意しましたが、あまり精度が良くなかったのと100個程度ならマークで行けるだろう、と思いました。


 ボタンの穴、ねじの穴をあけます。ねじの穴、と言ってもねじ切りをするわけではないので簡単です。実際、この厚みでねじを切っても、すぐにねじ山がつぶれてしまうのであまり効果がありません。結局ねじとナットで固定することとしました。

 このナットはとてもなくしやすそうですが、市販のナットで代用できるのでまあ大丈夫か…

 また、今回は穴あけに心理的な余裕ができたので、ストラップを通すことのできる穴もあけました。実際の使用では、ここにストラップを通してもらえるとよいかと思います。

 どこかのサークルで良いストラップを作ってもらえないかな・・・我こそは、という方、ご連絡お待ちしています。

2010年12月1日水曜日

まずは1本完成

 部品がそろい、加工も終わりましたので、大規模な組み立てを開始する前にまずは1本組み立てました。予約を開始するのでどのような仕上がりになるか、そして量産するにはどうすればよいかを考えます。

 早速完成させたものがこちら。キャップを付けたものと付けていないものがありますが、どちらも同じものです。


 持った感じでは、やはり「太い」です。いわゆる「バルログ」は無理でしょう…。

 前回の難点であった、ボタンの押しにくさも改善されました。ケースの穴にボタンが引っ掛かり、上から押しこむことができます。

 ボタンがかなり下側へ付けているので、キャップに隠れてしまいましたが、キャップの上から問題なく押すことができます。キャップの側面を切り取ると押さえる強度が弱くなってしまいますのでこのままにしています。

 つまみを押し込めば電源のON・OFFができます。結構強い力が必要ですので、カバンの中で電源が入ってしまうことを防ぐことができます。

 途中に入れた基盤固定用のねじはやはり必要なようです。これで固定しないと電源が入りません。

 光を飛ばすためのレンズを取り付けていますので、棒全体が均質に光っています。

 このモデルは先端に光反射用の部品は入っていません。ですが前回の実験のとおり、先端から光が漏れているので反射板の効果が期待できます。

 光の強さはこんな感じです。どうやったら強さが分かるかな…
 というわけで、これを頒布します。まだ全て完成していませんが、順番に進捗状況を報告していきます。