iNSTITUTEM@STER

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2012年4月13日金曜日

ポリスイッチなどのPTCサーミスタをシナモンブレードに取り付けてみた

LEDサイリウムがショートしても、保護できるようにヒューズやポリスイッチなどの保護回路を入れる、ということを推奨していましたが、ポリスイッチについて、便利そうですが、使えるかどうかよくわからないので、実験をしました。
そもそも、ポリスイッチというのは、PTCサーミスタの一種です。この「ポリスイッチ」は、タイコエレクトロニクスの商標です。
電子部品メーカー各社も、PTCサーミスタを製造しています。
PTCサーミスタとは、温度が上昇すると、電気抵抗も大きくなる素子です。特に、特定の温度を超えると急に抵抗が大きくなることで、ヒューズの代わりにすることも可能です。

これを、実際にシナモンブレードIIに接続して、実験しました。

実験:
電源とPTCサーミスタを直列につなぎ、シナモンブレードに取り付ける
その時の、サーミスタにかかる電圧と、回路の電流を測定する。
シナモンブレードIIは、緑と黄色で光らせました。
また、シナモンブレードのLEDの代わりに、2Ωの抵抗をつけたものと
LEDをショートさせたときの電流も測定しました。

条件:
気温:22度
電源:Eneloop単3x2

使用したサーミスタ

1)村田製作所 PRG21BC0R6MM1RA (以下、PRG21) 写真中央
最大電圧 6V
不動作電流 420mA(25度)
動作開始電流 920mA(25度)
抵抗値 0.6Ω(誤差20%) 
無荷電時0.50Ω

2)tyco Electronics RXE050 (以下、XF050) 写真左
保持電流値 500mA
無荷電時0.50Ω

3)tyco Electronics RXE075 (以下、XF075) 写真右
保持電流値 750mA
無荷電時0.30Ω

実験風景はこんな感じです。あんまり片付いていません。



結果:
緑、黄色、2Ω接続は、電圧・電流が安定した時の値です。
ショート時は、10秒後の値です。
電流、電圧から、抵抗値および消費電力を計算しました。

サーミスタなし
電源電圧・電流・消費電力
緑 2.352V 0.12A 0.28W
黄 2.282V 0.42A 0.96W

RPG21
条件サーミスタ電圧電流抵抗Ω電力W
黄色0.50 0.52 0.96 0.26
0.09 0.11 0.79 0.01
2Ω負荷1.27 0.42 3.02 0.53
ショート2.01 0.33 6.09 0.66

XF050
条件サーミスタ電圧電流抵抗Ω電力W
黄色0.40 0.52 0.77 0.21
0.10 0.12 0.86 0.01
2Ω負荷0.73 0.79 0.92 0.58
ショート 10秒後1.13 0.99 1.15 1.11

XF075
条件サーミスタ電圧電流抵抗Ω電力W
0.05 0.11 0.50 0.01
黄色0.23 0.52 0.44 0.12
2Ω負荷0.46 1.00 0.46 0.46
ショート 10秒後0.70 1.52 0.46 1.07

この時、特性グラフの上にプロットすると、このような感じです。
グラフから外れたものは省略しています。
tyco Electroicsのものは、HがXF050、JがXF075です。


結論:
今回の実験で使った、XF050およびXF075は、今回の電流値の条件より大きなため、ショートしても電気が流れており、ヒューズのような効果はありませんでした。
グラフから読み取ると、切断されるまで約100秒かかり、この間にも大きな電力が消費されてしまいます。

RPG21は、ショート時にある程度電流が制限できているものの、通常動作でも遮断のしきい値の領域に入ってしまており、サーミスタ内で大きな電力が消費されてしまう計算となりました。
したがって、遮断するというよりも、ショートのために電線で消費される電力が、そのままサーミスタで消費することで「保護する」状態でシナモンブレードIIには使えない、という結論でした。

元々、電池から取り出せる電力には限界があり、電流を大きくしようとすると、電圧が低下します。今回は、単3電池でもだいぶ容量が減っていたので、なおさら電圧降下が大きかったと思います。
さらに、シナモンブレードは、電圧を上げてLEDを光らせています。

krkrさんのほうで考察されている内容を引用すると、
ショートさせると、電流が大きくなります。
電流が大きいと、電池の電圧が下がります。
電池の電圧が下がると、必要な電圧を取り出すために、大きな電流が必要になります。
ある程度電圧が下がると、今度は効率が大きく落ちてしまい、さらに大きな電流が必要になります。
サーミスタがなかったら、ショートを解消することで電流が小さくなり、効率の良い領域に戻りますが、サーミスタがあると、先の回路にかかる電圧が低いままで、効率の悪い状態が続き、結局戻らないことになります。

色によって電流の変化を少なくしたり、電圧を上げずに、例えば単4x3本にすることでサーミスタの効果がでてくると思います。
電圧を上げているシナモンブレードでは、安全性はサーミスタではなくヒューズで対応したいと思います。

1 件のコメント:

  1. 1988 Mercury Cougar AC Compressor
    its nice to read a useful article for beginner like me. Some of points from this article are very helpful for me as I haven’t considered them yet. I would like to say thank you for sharing this cool article. Bookmarked and sharing for friends.

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