iNSTITUTEM@STER

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2010年11月23日火曜日

特許出願中

 タイトルからいきなり何だ!?という感じですが、前公開した基板パターンを見て、もう既にお気づきの方もいるかと思います。こちらは基板パターンを募集した時に公開したものです。


 左上の赤枠で囲まれたところです。このシナモンブレードは、


特許出願しました!!


 「本格的な金稼ぎktkr」とか思う方もいるかもしれません。実際のところ、出願した目的は
・「特許を出願する」ってどうすればいいんだろう
・「特許出願中」って言うと何だか凄そうに見える!
・もし取れたら取れたで、どこぞの企業が海外で大量生産した時は…覚悟をば。

というような目的です。出願したのは「シナモンブレード」のほうで、ノーマルモデルは当然ながら出願していません、というかすでに似たようなものが取られています。もちろん出願されているのは形も仕様も違いますし、いろいろな所で公開されているので特許化はまず無理ですが…。

 また、普通なら出願後に審査するのに10万以上かかります。実はこの審査料が免除される要件が揃っているのでお金はかかりませんが…。さらに言うと、その審査も普通なら2年ぐらいかかります。出願した時はブームでも、いざ権利化したら既にブームが去っていた…ということも十分あり得ます。(これも実は、個人などなら3カ月ぐらいで審査してもらう方法があります)

 というわけで、種を明かすと特許は「出願だけなら簡単にできてしまう」のです。と言っても15000円かかり結構な出費ですし、出願された内容は必ず公開されるので滅多矢鱈に出願するわけにもいきません。あまり変な特許は確実に笑われるネタになります。

 いずれにしても、実際に権利化したとしても、上に書いた理由で特許を出願したので、個人的に作るものに異議申し立てとかする気がありません、というよりぜひとも積極的に作ってください。

 でも、特許の書類を書くって結構大変です。「発光制御回路とスイッチング素子と光の三原色を発光する発光素子と電池を有した電気回路と、光透過性のある人の手で握ることのできる本体の一部が様々な色彩で発光する棒状の本体を備えた発光器具。」という具合に、文章を見てどんなものかが分かるように書く必要があります。

 もし「書いてみよう」と思った人、ぜひ挑戦してみてください。

2010年11月22日月曜日

部品調達 機構部品編

 今回は電気に直接関係の薄い物たちです。
 電子部品はある程度調達先が絞れますが、こちらはいくつも調達先候補があったり、逆に調達が難しかったり電子部品以上に大変でした。
 前回と同じく、青文字が今回初めて取引をしたところです。

ポリカーボネートパイプ

タカマサ樹脂

 アクリルなどの樹脂製品を販売している会社で、サイトを見た感じでは大学の研究室向けに多く取引があるようです。一品ものの受注生産にも対応しているようです。ここもまとまった数に対応してますし、個人で小ロット購入するような場合にも十分に対応してもらえるようです。
 今回ポリカーボネート樹脂を使いたいと思い探しました。パイプを切断して購入したときには、一本ずつ袋に入っており、仕事が丁寧だと感じました。

パイプキャップ
タケネ

 前回もパイプキャップを購入しましたが、他に代替えを予定していたパイプキャップの品質がいまいちだったので、再び注文することにしました。黒色なら300個から作ってもらえます。今回も300個注文しました。絶妙な柔らかさで着脱もしやすいです。
 こちらも300個購入で個人相手では代金引換のみでした。工場直販ならよくあることです。



LEDレンズ
RSオンライン

 ちょうどいいLEDレンズを取り扱っているとのことで、今回初めて取り扱いました。ここも表向きには法人のみの取り扱い、なのですが内部では個人客も歓迎してくれるようです。どうも本家であるイギリス本部の方針のようです。「個人事業主」として取引すれば問題なさそうです。
http://micon.arrow.jp/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=44&forum=5&post_id=2785

 価格も取扱商品数も豊富で、この手の法人向け業者としては小ロットで使いやすいと感じました。
 ちなみに、注文のLEDレンズはイギリスの在庫を取り寄せてもらいました。部品を各国の営業所で融通しているそうです。このような他のところではなかなか取り扱っていないものでも豊富に取り扱っています。


ねじ・ナット
MonotaRO

 ここも基本的には現場を持つ企業向け、という印象がありますが、「個人事業者」として登録すれば十分使えると思います。また、個人向けの専用サイトもありますし、AMAZONにも出店しています。巨大な装置などの取扱商品、価格に差があるようです。
 価格の差は、個人向けは税込み表示、企業向けには税抜き表示になっているためです。(2010/12/3追記)
 ここも取扱店数が豊富なので、近所のホームセンターにないものを取り寄せるのにも便利だと思います。35mmのねじは「規格外」扱いなので、近所のホームセンターでは取り扱っていませんでした。



バックライトフィルム
Paper & Goods

 その名の通り、紙類の取り扱い点数が多いです。A-One製品も扱っていますが、発送元が別で注文も別々にする必要があります。大量の紙の購入やなかなか文房具店で取り扱っていない大判のロール紙を取り寄せるのには重宝しそうです。バックライトフィルムを大量に扱っているところが少ないので、今回は有り難く利用しました。この会社が直接仕入れ、加工をしているものは特に、大量に安く手に入ります。

 部品は一通りそろいましたので、部品加工・組み立てをしていきます。

2010年11月21日日曜日

部品調達 電子部品編

着々と部品が届きます。


 今回もまとまった量なので、基本的には前回と同じような取引先です。
取引していただいたことに感謝を込めて、部品と併せて紹介します。

 また、前回扱っていなかった取引先も加わっています。新たな取引先を中心に紹介します。
量が多くなりそうなので、電子部品とその他機構部品と分けて書きます。
 半導体部品やチップ部品です。100個以上ありますが元々小さな部品なのであまり大量にあるという感じはありません。
 電池ボックスです。こちらは大きな部品なので100個あるとそれなりに嵩も大きいです。

 青文字は前回取引をしませんでしたが、今回取引をした会社です。


電池ボックス、トランジスタなど
マルツ電波

 まとめ買いをするとかなり安く調達できるとのことでしたので、こちらでいくつか購入しました。5250円以上で送料無料になります。小規模から在庫のある部品は、タイミングが合えば次の日に届きますし、店舗があればそこまで取りに行けば、送料もかかりません。

取扱っている商品も多いので、試作のためにも重宝します。


LED、チップ抵抗など
秋月電子通商

 あまり他店で扱っていない部品を安く調達できるので、今回も利用しました。いろいろなオリジナルキットを取り扱っているので、初心者でも使いやすいと思います。もちろんある程度まとまった量も対応できます。電子部品を買うときはまずここを見てから、他店と比較することが多いです。


1W抵抗、工具類
千石電商

 こちらも秋葉原では、電子部品取扱店として有名なお店です。一般的に使われる電子部品なら大抵揃いますし、電子部品の価格はかなり安いです。まとまった数でも十分利用できます。特に大阪日本橋店でまとまった数を店頭で購入するときは、あらかじめ店舗に確認してから向かった方が良いと思われます。
 工具類の取り扱いも豊富で、こちらも他店と比べて安値です。


PICマイコン、チップコンデンサ
チップワンストップ

 前回もこちらから購入しましたが、今回も価格が安いので利用しました。基本的には法人向けですが、「個人事業主」なら取引をするとのことです。利用条件に「営利目的で使用する方」とあるので、本当に個人で使用する方も、「個人事業主」として登録すれば取り合ってもらえます。クレジットカードも対応しているので、クレジットカードのポイントをためている方などは使い勝手が良いと思います。



昇圧モジュール
Strawberry Linux

 オリジナルの半完成品を多数取り扱っています。今回の昇圧モジュールもいくつか扱っていますし、マイコン関係のキットも多いので覗いてみる価値は十分にあります。使用を決めた昇圧モジュールはこちらで取り扱っているものをいくつか仕入れて、その中から選びました。ここの製品をベースに新しいものを開発するのも面白いと思います。多く売れる商品は、今回のようにある程度まとまった数にも対応しています。



可変抵抗・タクトスイッチ
alps電即納

 ここも前回タクトスイッチと可変抵抗を購入しましたが、今回も引き続き購入しました。メーカー直販でありながら、個人相手にも正式に対応してくれます。個人相手では代金引換のみ、送料もちょっと高いのですが、ちゃんと受注生産品も作ってくれます。もちろん品質も満足しています。一般のパーツショップでは出回らないようなものが手に入るので、作るものが決まってからの部品調達には重宝します。

 次回は機構部品を紹介します。

2010年11月18日木曜日

基板間違えた!?

 さらなる新製品の開発を考えているときに見ていた、ALPSのプッシュスイッチ付き可変抵抗の図面を見ていると、こんな風に書かれていました。これは現在製作中のシナモンブレードにも使っています。
 下のスイッチを見ると…


AとDがつながってる!?


 見落としていました。だとしたら、基板が間違っています。このままでは、基板の作りなおしといかないまでも、中規模な修正が必要です。下の基板パターン図で、赤い丸で囲った二つの丸同士がつながっていることになります。つまり、スイッチの意味がないことになってしまいます。

 早速実物でテスターを使って導通を確認しました。導通するとブザー音が鳴ります。


・・・・・・


 あれ?音が鳴らない。何度試しても音が鳴りません。
 じゃあこの図面は何なんだ?

 というわけでALPSさんに問い合わせをしました。すると当日すぐに答えが返ってきました。

 「パターン上で端子Aと端子Dを接続して使ってください」
 という意味だそうです。

 まあ、早い話が電気的につながっているわけではないけれど、誤動作防止とかのためにつなげて使ってほしい、とのことです。
 電気的につながっているわけではないので、このままでも動作はするはずです。基板上ではAとDではなくCとFをつなげていますので、誤動作防止という意味では問題ないはずです。

 うう…紛らわしい…という気持ちもありますが、こんな一個人にすばやく丁寧に答えていただきALPSさんに感謝します。

 とりあえず安心しました。そして、図面はしっかり読むこと、ですね。

2010年11月17日水曜日

いびがわマラソン

 またもや流れを無視してちょっと志向を変えていきます。
 スポーツの秋、ということで11月14日にマラソンに参加しました。題名にもある通り、岐阜県美濃地方の東の奥にある揖斐川町でマラソンが開催されました。その名も「いびがわマラソン」です。

 人口2万4千人ぐらいののどかな町に、1万人ぐらい参加者が集まりました。この瞬間の人口は3万4千人、約42%人口が増えました。

 マラソンと言えばおなじみの42.195km走るフルマラソンと、その半分の21.0975km走るハーフマラソンと開催されました。今回、人生初マラソンということで、さすがにフルは走りきる自信がありませんでした。なのでハーフでエントリーをすることにしました。一緒に参加する人たちにマラソン初参加の人が何人もいましたが、みんなフルマラソンにエントリーしてしまいました…大丈夫だろうか。

 日本各地でマラソンは結構開催されていますが、実は「一般の人が参加できる」「フルマラソン」はかなりレアです。開催されてもハーフマラソンと10kmだけとか、参加できても「制限時間3時間」とかセミプロレベルの実力が必要だったりします。いびがわマラソンは制限時間がフルで5時間半、ハーフで3時間です。そのせいか、全国からツワモノが集まっています。

 というわけでスタート。妙にテンションが上がります。往路はペースが分からずゆっくり走っていました。しかし復路で意外に体力に余裕が有りそうだったので、快調に飛ばしました。希望の声が聞こえてくるよ~ゴールは近い~あと少し走ろう~

 そして2時間18分でゴールしました。当初の目標が「あきらめずに完走すること」だったので、とりあえず目標は達成できました。ゴールした人だけがもらえるタオルを地元の中学生の人にかけてもらい、タオルゲット。現地で写真を撮れなかったので家で広げて撮りました。

 これを書いているのは完走してから約丸2日半経っていますが、足の筋肉痛がまだ残っています。去年マラソンを走った人の話では、1週間は筋肉痛が残るとのこと…。

 最後に、現地の小学生が書いた絵を写真に撮りましたので紹介します。
 自分のペースを守るのは大事なことですよね。

2010年11月16日火曜日

基板作成(やり直し編)

 基板作成に失敗したからといつまでも悩んでも仕方ないので、どうにかして使える基板を作成することにします。

 そもそも銅箔が溶けていないのは、表面に感光材が残っているためだと思われます。そこで、この残った感光材を取り除くことにします。
 ここで取った取り除く方法は、「もう一度感光からやり直す」ことです。
 写真のように、失敗した部分だけを切り取って、残ったパターンとうまく重ね合わせてもう一度感光させます。 こうやって失敗した基板に復活の呪文を掛けることで、約7割ほど使える基板になります。

 やっぱりこの方法では限界があるので、一部は新たに基板を買ってきてもう一度作りなおします。

 とりあえずモノになる基板が完成したら、穴あけをします。前回は、ここで表面の感光材を取り除いていましたが、穴あけなど加工をしている間に表面が酸化してしまうので、できるだけぎりぎりまで表面を保護することにします。
 表面実装部品を多用しましたので、穴あけ工程は前回より楽になります。

 そして基板を切断します。ここも細かく切断する必要が無いので幾分楽になります。

 一通り加工が終わったら、表面の感光材を取り除きます。取り除く方法として、
1)表面を磨く
2)基板全体を感光させて現像液につける
3)「フラックスクリーナー」を使う
とあるのですが、1)は面倒なので却下。2)は前回行った方法ですが、肝心の現像液が無いのでできません。そこで、基板製作セットに付属していた「フラックスクリーナー」を使って落とします。

 「フラックス」と言うとはんだの乗りを良くするために塗る有機溶剤のようなものですが、そのクリーナーは感光材も溶かすことができます。フラックスクリーナーの容器には、残念ながら主成分は書いていないのですが(第四類第一石油類、と書いていますのでガソリンやトルエンの類だと思います)つまるところ有機溶剤でしょう。

 フラックスクリーナーを使ったところ、このようになります。
 溶剤を掛けたところからみるみる緑色の物体が溶けて落ちます。ふき取って乾燥させて終わりです。ただ、これだけ大量にあると部屋中が有機溶剤の蒸気で満たされてしまいます。換気が必要です。

 奇麗な銅の表面が出てきます。続いて、この表面を保護するためにフラックスを吹きかけます。この辺りは前回と同じです。

 一晩ほど乾燥のために放置してから、パターンがくっついてしまったところ等、必要なものは少し手直しします。

 手直しが終わったら基板製作は終了です。ケース加工を並行して進めていきます。

2010年11月14日日曜日

基板作成(失敗編)

基板を作成しました。


 前回の量産より、「基板は他で作ってもらったほうが安くてきれい」という声がありましたが、今回も手作りとします。過去にも同じことを書いたような…。確かに面倒ですが、理由は

1)手作りのほうが「手作り感」が出る
2)外注が安いといってもやっぱり手作りのほうが安い
3)せっかく買った設備のコストを回収したい
そして
4)特注基板に簡単に対応できる

というわけで、基板を作っていきます。


 作り方は前回と同じ手順ですが、前回のノウハウを生かして作業の内容を変えていきます。

1)OHPフィルムにパターンを印刷

 ブラザーのMFC-935CDNプリンターを使い、OHPフィルムに「普通紙」で印刷します。1枚では黒い部分も光が透過してしまうので、1枚はプリンタドライバで左右・上下反転させてもう一枚印刷します。印刷面通しを重ねて、インクが表に出ないようにします。

黒いインクがくっきり出るように、お使いのプリンターによって設定を変えてください。

2)基板を切断

 使っている「ちびライト2」の対応サイズが150*100mmまでなので、200*150mmの感光基板をアクリルカッターを使って半分に切断します。

3)感光

 サンハヤトのサイトにある感光プロファイルより、適切な時間を選びます。基板が製造後約4カ月経っているので、表を見る限り125秒程度です。これに、前回の経験を加えて感光時間を135秒=2分15秒とします。

 感光基板にフィルムを挟んで、135秒間光を当てます。

4)現像

 光を当てた基板を現像液の中に浸します。本来は現像液を25度Cから30度Cぐらいの温度にしますが、放置している間にぬるくなってしまいました。前回作ったのが真夏だったので何もしなくてもと買ったのですが、それ以外の季節に作る時は温度に気を付けたほうがいいと思います。
ちなみに、手元の温度計で測ると約20度Cです。そのため、3分から5分ほど浸すことにしました。

5)エッチング

 容器の底から空気を送るタイプのエッチング装置でエッチングします。液温度はヒーターで40度にしています。その中に先ほどの基板を約10分ぐらい浸します。

こうして出来上がったものがこれ。


端のほうが全くエッチングできていない!

 だからと言って、これ以上エッチングすると、良くエッチングされている中央部分が過剰にエッチングされてしまいそうです。すでに、溶けない、と言いながらずっとエッチング液に付けていたものを見ると、パターンがものすごく細くなってしまいました。

この失敗の原因を探ります。
各工程ごとに失敗を洗い出します。

0)基板が古い
 基板が製造後約4カ月経ってました。感光しにくくなっている可能性がありますが、メーカーによる品質保持期限は12カ月としていますので、これを原因にしてしまっては成長がない、と思います。

1)OHPフィルムにパターンを印刷
 そもそも、OHPフィルムに印刷したことが失敗なのではないか、おとなしくサンハヤト純正のインクジェットフィルムを使うべきだったのかもしれません。

2)基板を切断
 基板切断のために、蛍光灯光源の下で光に当てていました。そのため、全体が感光してしまったのかもしれません。しかし、全体が感光してしまったのならむしろ感光材料がはがれてしまうので、今回のように残ってしまった、ということにはならないと思います。

3)感光
 エッチングされていないのが基板の端のほうでした。ちびライト2の対応サイズは150*100mmとしていますが、実際にはかなり光のむらがあるのかと思います。外側の光の量が足りなかったのかもしれません。
 大体この赤丸の中に収まるように基板を切り出せば良さそうです。ざっと見て120*75mmぐらいでしょうか。でも、これでは最小サイズの基板でないとうまく作れない計算ですね…
 前回も、エッチング失敗は大きめに切りだした基板で多く起きていました。外側に十分光が当たっていないせいで、表面の感光材料が残ってしまいうまくエッチングできなかったのかと思います。

また、感光基板とフィルムが密着できていませんでした。

クランプに挟んだ基板を横から見るとこんな感じ。


 少し浮いてしまってます。柔らかいキルトの上で作業をしていたので、うまく密着できていなかったのだと思われます。なので、硬い床や机に置きましょう。

4)現像
 温度が低かったので、十分に感光材料が溶けなかったのかもしれません。温度が10度高いと反応速度が2倍速くなりますし、溶解度も物質によって2倍以上大きくなりますので、浸す時間も2倍以上にしました。

 しかし、まだ足りなかったのかもしれません。

 以上より、次回は、基板をさらに半分に切って、硬い床の上で基板をちびライト2の中央において、長めに(3分ぐらい)感光させたものをエッチングしようと思います。

2010年11月10日水曜日

試作品テスト

試作品を光らせました。
今回はいきなり動画から行きます。


比較した画像はこちら。まずは従来品から。
 こちらは新作です
 紫色っぽいのは、まだ色合いを調整していないためです。
写真では分かりにくいかもしれませんが、まるで光の量が違います。
部屋を照らした別の写真はこちら。まず従来品からです。




続いて新作




前作と比べて、部屋全体が照らされていることが分かると思います。

 具体的な出力は、試作機でテストしたところ、約200~300mA流れていました。前作で約10mA流れていましたので、出力で20~30倍になっています。

 「50倍になった」と以前言ったこともありますが、今回電池や部品の条件などで思うように出せなかったのが原因のようです。製品になってどんないい電池を使っても30倍程度でしょうか…

やはり電池の性能に依存するところです。

 また、新品の電池を使って何分間点灯するかテストしました。
使った電池はこちら。有名雑貨店「大創産業」で購入しました。ものすごく余談ですが、大阪に「ダイソー」という化学メーカーもありますが、「ああ、あの100円ショップの」とか言われているかもしれませんね…。


 この電池を使って試したところ、フルパワーで点灯後21分で点滅しました。電圧降下で昇圧がうまくいかないのが原因です。この後、緑色に変更して点灯を続けたところ、変更後92分で点滅しました。このときの電池の電圧は回路につなげて2.25Vでした。

この後は量産体制に入っていきます。

試作品製作

 詳細部分が決まりましたので、製品がどのようなイメージになるか試作機を作ります。

 試作品では手に入る部品を使って作っていきますので、製品とは違う仕様になります。特につまみ部分は特注なので汎用部品で代替えします。製品版では、特注の部品をふんだんに使うのでだいぶ使い勝手は違うと思いますが、この大きさで手に持った感じや光り具合を見ます。


 大きさは製品と同じ、32mm径*250mm、アクリルパイプを注文しました。写真一番左のものです。ちなみに中央のものは従来品です。

パイプキャップも、候補に挙がっていたものを1パック購入しました。


パイプキャップは、お値段も手ごろで入り数も使いやすいので、物がよかったら使おうと思いましたが、一度はめるととても取れにくいので使わないことにしました。結局、前作と同じタケネさんに作ってもらうことにしました。パイプキャップだけでそれなりのお値段となりましたが、一度使いやすいものを使うと二度と手放せなくなってしまいます。

  本体の基板を作成します。部品の配置は製品と大体同じです。ただ、基板を細く切りすぎて昇圧回路が縦になってしまいました。実際には横に設置します。

 


ケースも加工して出来上がり。



次回はお楽しみの、実際に光らせたらどうなるか、前作との比較やテストを行います。

2010年11月7日日曜日

詳細設計

、現在新作の量産中のため、ここ数日、更新のペースが落ちていますがお許しください。

 前回の実験より、使う部品が決まりましたので、ペンライト本体の細かい設計をします。
実際にどんな形になるか、まずはコンピュータ上で再現します。
 過去の記事で製作コンセプトを載せていましたが、もう一度まとめると
・打倒閃ブレ
・単4電池2本で動く
・フルカラー
 これを満たす範囲で、できるだけ小さく作成します。

 大きさは250mm*32mmとします。これも前回書きましたが、手に入る規格サイズなためです。このケースに電池と回路を入れて、本体が光るようにします。
 操作部分は、後ろのつまみと基板横のつまみに近いところに、二つのボタンを用意します。前回と同じように、つまみは後ろに持って行きます。

 また、電源スイッチは、前作のようにトグルスイッチが出っ張っていると何らかの動作で消してしまうことがあるので、つまみを押してON、OFFを切り替えるようにしました。この電源スイッチ付きつまみは特注します。

 基板を小さくすることと基板作成のときに穴あけの回数を減らすために、面実装型のチップ部品を多く使用していきます。マイクロコントローラーも面実装としました。このため、今回はプログラムのアップデートは少々困難になってしまいます。だいぶプログラムも完成してはいますが、光るパターンの変更にはこちらに送ってもらう等が必要になると思います。

 基板が大ぶりなので、振っている間に基板が振動してしまい、故障しやすくなるかと思います。 今回はLEDに近い側をねじで固定しようと思います。

 使う部品も決まったので、試作品を作り、部品を調達して基板製作、と進んでいきます。

2010年11月5日金曜日

実験2

スイッチング素子を入れてちゃんとスイッチングできるか、という実験を行いました。


まずは、4回路入ったトランジスタアレイのTD62064APGを使ってスイッチングの実験です。
データシートに書かれている記号はシンクドライバとなっていてトランジスタっぽくないのですが。
こちらは秋月電子で配布している資料です。最新のものは秋月電子へお尋ねください。
ちなみに、シンクドライバ(sink driver)というのは、電源を吸い込むことで大きな電力を制御する機構です。
対して、ソースドライバ(source driver)というのは、電源を吐き出して制御します。
どちらがいいか、とか語り出すと教科書1冊分ぐらい必要なので割愛しますが、半導体を使っているならシンクドライバのほうが有利なことが多いです。

このときの電流を実際に測定しました。
結果は以下のとおり。

 「’」の付いているほうが、その色のみ点灯している状態での値、「’」の付いていないほうは、3色ともフルパワーで付いている状態です。
 かなり電流が減っている!?数十mAまで落ちているとなると、せっかく高出力LEDを使ってもまるで活用されていないといえます。確かにベースにつける抵抗は10kオームで十分点灯していて、無駄な電流を抑えられるので省エネですがせっかくの高出力モデルで出力が出せないのはつらいので、残念ながら没としましょう。

ダーリントン接続なので飽和コレクタ電圧がかなり大きく、出力される電圧に対して無視できないので、飽和コレクタ電圧による電圧降下が大きくなる、平たく言うと謎の素子にパワーを吸い取られている、と言うべきでしょう。

 というわけで、もう一つの案、トランジスタを単品で使う、2SC2120-Y(このYが重要)では
 単体点灯で160mA以上取り出せました。ちなみに、これは安ものの電池を使ったときの値です。
別電源としてACアダプタを使ったときはこうなりました。単位がAなのに注意。

 電流値を見ても三つ点灯しても軽く各色フルパワーで光っているようです。合計で最大1.87Wです。次回ぐらいにこの状態で光っている写真を載せます。まあ、単4電池ではここまで出せないと思うので絵にかいた餅ではありますが。ここまで出せるんだな、と参考までに。

 3番目の「制御回路を入れてうまく動くか」という実験も無事に成功しました。電流値はほとんど変わりませんでした。

 

 とりあえず、この実験より使う部品を決定しました。そろそろ基板設計を進めながら部品調達ですね。